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令和3年度入学式 校長式辞

 かつて本校の先人たちが植樹した 小山川のこだま千本桜も見事に咲き誇る 春爛漫のこの佳き日に、御来賓並びに新入生保護者の皆様の御臨席の下、令和3年度 埼玉県立児玉白楊高等学校入学式を 挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びと深く感謝申し上げます。

 

 ただ今、入学を許可いたしました、128名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 

 また、保護者の皆様におかれましても、お子様の御入学、まことにおめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。本日より三年間、お子様の成長する手助けを 精一杯努めさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

 

 本校は、明治三十二年、当時の日本の中核産業である、養蚕業(ようさんぎょう)の発展に寄与するために創立された、「競進社蚕業学校」を源に発し、以来、百二十余年、幾多の変遷を経て、平成七年度、児玉農工高校から児玉白楊高校に校名を変更し現在に至っております。

 

 さて、皆さんは、この百二十余年もの伝統ある児玉白楊高校の生徒として、本日その第一歩を踏み出すわけですが、この児玉白楊高校の3年間で、皆さんは地域の未来を支える、なくてはならない産業人へと成長していくことになります。

 そして、この児玉白楊高校が、皆さんの成長するステージとなるのです。

 しかし、ヒトは何もせずに成長することはできません。そこで、私から入学に当たりこれからの指針として成長するコツについて、二つお話しします。

 

一つ目は、「母校となる児玉白楊高校を全力で好きになれ」ということです。

 人は自分が好きになったことなら、どんどん吸収するものです。やらされるのではなく、自ら進んで取り組むようになります。

  そうなれば、もはや周りがやめろと言っても誰も止められません。「受け身」ではなく、「能動的」な状態です。「好き」という状態は、言い換えると「主体的」「能動的」とも言えるかもしれません。

 

「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、その言葉は「主体的・能動的に取り組むと成長する」という意味なのです。皆さんには、三年間の学校生活を丸ごと好きになり、大いに成長していってほしいのです。

 

 百二十年もの長い間、この児玉という地で 脈々と受け継がれてきた児玉白楊高校の歴史。そして、それを支えてきた地域の人々。また、現在の学校を支えている目の前にいる教職員や これから共に学ぶ仲間たち。皆さんに関わる全てに興味を持って、「好き」になり 主体的・能動的に取り組んでみてください。

 

 二つ目は、本校の校訓である「『なすことによって学ぶ』を実践せよ」ということです。「学ぶ」ということは、単に教科書を暗記すればいいわけではないのです。

  教科などで学んだことを、自ら考え、体を動かし、失敗したり、成功したりという体験や実践を通して、自分のものにしていくことが重要なのです。

 

 本校のルーツとなる「競進社蚕業学校」をおこした校祖の木村九蔵は、皆さんと同じぐらいの年頃のとき、屋根裏で養蚕にチャレンジし、良質な繭を作ることができたそうです。

  それをステップに翌年、規模を拡大し、同じ方法で養育したのですが、その年、蚕は全て死んでしまったそうです。失敗でした。

  九蔵青年は「なぜ失敗したのだろう」と悩みました。そして、試行錯誤の結果、養育の方法は同じでも、上手くいった屋根裏部屋とは環境が違っていたということに気が付きました。

  その後、元の屋根裏の環境を再現し、再び良質の繭を作ることができたといいます。失敗した経験から学び、新たなことを発見したのです。

 

 本校は、生物資源科、環境デザイン科、機械科、電子機械科の4科を有する専門学科の高校です。実習などの実践を繰り返すことにより、知識や技能を身に付けていきます。実践を繰り返す中では、思うようにいかず失敗することもあるかまもしれません。

  しかし、失敗もまた経験のうちです。九蔵青年と同じように失敗や試行錯誤の経験から真理を探究し、大きく成長していってください。

 

 私たちが生きていくこれからの社会は、AI技術が高度に発達した「Society5.0」の到来により社会の在り方が劇的に変化し、更に新型コロナウイルスの感染拡大などもあり、先行き不透明な「予測不可能な時代」と言われています。

  このような時代、新入生の皆さんには、様々な課題に受け身でなく、主体的に取り組み、将来どのような道に進んだとしても、自分自身の可能性を無限に広げられるように成長してほしいのです。

 

 皆さんの入学に際し、これからの指針として、一つ目は、「母校を全力で好きになれ」ということ、そして、もう一つは、「『なすことによって学ぶ』を実践せよ」ということをお話ししました。

 私たち教職員は、全力でそれをサポートします。

 

 最後に、保護者の皆さまに、お話しいたします。本日から三年間、責任を持って、お子様をお預かりいたします。

 家庭教育と学校教育との関係は、車の両輪とよく言われます。家庭と学校がそれぞれの役割をしっかり果たし、協力・連携し、教育に当たることが、何よりも大切なことは、言うまでもありません。

 

 私たち教職員一同、御期待に沿えるよう、一所懸命に努力いたします。是非とも学校を信頼していただき、家庭と学校との風通しを良くしながら、お子様の成長に向け、一緒に取り組んでいきたいと思いますので、何卒、御支援・御協力をよろしくお願いいたします。

 

 それでは、三年後の卒業式の際、ここにいる新入生が、心身ともに成長し、全ての生徒・保護者の皆様が児玉白楊に来て本当によかったと思えることを心から願い、私の式辞といたします。